花を買う人
利用する駅に花屋が入っていて
ずっと気になっていたので思い切って入ってみた。
自分の好きに花を選んでレジに持っていくので、とても気軽。
あれとこれと、と指差してお店の人に花を組んでもらうシステムは、
お店の人の時間を長く拘束することになるので
悩み癖のある私には、敷居が高かった。
時期もあってか、小さな店内は花を選ぶ人でいっぱいだった。
自分への花なのか、自分以外の人への花なのか、
大きな花束を作る人もいるし、数本の花をレジに持っていく人もいる。
花ってこんなに気軽に選べて買える時代になっていたのだ、気付かなかったけれど。
そういえば、花束というものをここ何年ももらっていない。
誕生日の時、卒業するとき、退職するとき、結婚するとき、いろいろともらったけれど、
花束を持っている自分は「何かあった人」だった。
残りの人生、花をもらえる機会といえば、
もう棺の中くらいしか思い浮かばないのだけれど。