やるせない
夜7時頃、インターホンが鳴ったのででると、
「工事のご挨拶に来ました 出てきていただけますか」と。
インターホンの画面に映っているのはスーツ姿の男性2人。若い人と年配の人。
こんな時間に?と思いつつ出ていくと
「新人研修で回っておりまして、換気扇フィルターのご紹介です」と若い人。
そしてそれを少し離れて見て、何も言わない年配の人。
何の工事かと聞けば良かったのに、勝手に水道管の工事とか道路工事かと思い込んだ。
そもそも「出てきていただけますか」というのも妙だったし、「近所の工事のご挨拶」という言い方にも違和感はあった。
今まで工事の挨拶は数回あったけれど、どの業者も「近所の工事」のような曖昧な言い方ではなく、町名と詳しい場所、何の工事かをハッキリ言った。
何より出てきて欲しいとは言わず、インターホン越しに通行止めなど必要な情報を教えてくれて、あとは工事箇所の地図や連絡先が書かれた紙を入れておいてくれるだけだった。
と、頭の中であれこれ考えて、出て行ってしまったことを悔やむ。
フィルターを付けられるタイプの換気扇ではないので、と断って中に入った。
普段なら怒るところなのだが、なんだかやるせない。
そんな気持ちになってしまうのはきっと
夜7時に知らない家を訪問し、「換気扇フィルターの紹介」と言わずに、「工事の挨拶」と
インターホンに向かって言わなければならなかった新人さんの気持ちを勝手に想像してしまったから。
いろいろと疑問あったんじゃないか、と。
あくまで想像だけれど。