季節の思い出
確か今頃の季節だったように思うのだが、
祖父の家に行くと
玄関はいつも開け放たれていた。
夕方頃、玄関戸を閉めようとすると
祖母が
まだ帰ってきていないから、もうちょっと開けておいて
と言う。
誰が? と思ったらツバメが だった。
ツバメが玄関に巣を作っていたので
祖母はツバメの帰りを待って
戸を閉めていた。
そういえば、田んぼの草刈りも
ホタルの卵がかえるまで待っていたように思う。
庭には柿の木があって
秋になるともいだ柿をよくもらった。
柿を木からもぐときは
全部は取らない。
少しだけ残しておく。
カラスが食べるよ
というのである。
なんとなく
思い出してしまった。